釧路湿原や霧多布湿原を知っていても、別寒辺牛(べかんべうし)湿原とはあまり聞いたことがないかもしれません。それもそのはず、厚岸観光十景に選定されてから別寒辺牛湿原と名付けられ、平成5年(1993年)にラムサール条約の登録湿地として『厚岸湖・別寒辺牛湿原』が認定され、急速に注目されるようになった湿原です。湿原には、ヨシ、スゲの広がる低層湿原、ミズゴケ類が繁茂しヒメシャクナゲやツルコケモモなどの咲く高層湿原と、その中間の湿原がありますが、別寒辺牛湿原は低層湿原の代表的なものです。また、新しく別寒辺牛川中流域に高層湿原が確認され、大いに注目を集めています。別寒辺牛湿原には、尾幌川、大別川、別寒辺牛川、チライカリベツ川等が血管のように流れ、タンチョウも営巣するなど学術的にも高く評価されています。また、近くには水鳥観察館があり、厚岸湖や湿原に飛来する四季折々の鳥やタンチョウの子育てを、スクリーンでリアルタイムに見ることができます。